ロジクールから2018年に発売された「MX Vertical」(MXV1s)のレビューです。
縦型マウスで、従来のマウスに比べて、筋緊張を10パーセント低減できると公称されています。
実際に使用してみると、自然な腕の角度でマウスを握ることができ、腕のダメージを軽減できます。
「MX Vertical」はマウス操作時に腕を捻らず、自然な角度でPC作業できるのが特徴です。
しかし、 管理人(身長170cm男性)の手にはちょっと大きく、機能面でも物足りなさがあります。
もし購入するのであれば、「MX Vertical」の問題点を改善した「LIFT M800」が2022年にロジクールから発売されていますので、「LIFT M800」を購入するのをオススメします。
オススメ
この記事では「MX Vertical」をレビューしつつ、「LIFT M800」と比較、なぜ「LIFT M800」のほうが優れているのかも紹介していきます。
MX Vertical パッケージ
「MX Vertical」の箱はこんな感じ。
ロジクールのフラッグシップ「MXシリーズ」を構成する1製品となっていて、高級感ある箱になっています。
MX Verticalの付属品
付属品は「Unifyingレシーバー」、「USB-C充電ケーブル」、「クイックスタートガイド」、「保証規定」、「保証書」です。
PCとの接続は「Bluetooth」か、「Unifyingレシーバー」、「USB-C充電ケーブル」で行います。
「Unifyingレシーバー」は、ロジクールの中では旧型のレシーバーになっていて、最新のレシーバーは「Logi Bolt」です。しかし、今回紹介する「MX Vertical」は「Logi Bolt」に対応していません。
最新の「Logi Bolt」には非対応ですが、基本的に「Bluetooth」でPCと接続するので、レシーバーの種類はあまり気にならないと思います。
ポイント
付属するUSBレシーバーは、旧式の「Unifyingレシーバー」。
新型の「Logi Bolt」には対応していない。
MX Vertical 本体デザイン
本体は左右非対称のエルゴノミクスデザインが採用されています。
個性的なシルエットになっていて、机の上はもちろん、売り場でも存在感あるマウスになっています。
見る角度によって見た目が大きく変わり、ホイール側からみるとマウスが縦型になったデザインであることが良くわかります。
一方、PCを操作する人の視点ではホイールが見えず、未来のデバイスのように見えるのが面白いですね。
筋肉緊張を10パーセント減らす特徴的なデザイン
最大の特徴は57°の垂直角度が付いていること。
従来のマウスと腕の捻りが異なり、「MX Vertical」は握手するような自然な角度で握ることができます。
gifアニメで「MX Vertical」と通常のマウスで手の角度がどのように違うのか見比べて見ました。
こうしてみると、マウス操作では腕を捻って負担を掛けているのが良くわかりますね。
大きすぎて操作性に難あり
実際に使っていて気になるポイントは本体サイズが大きすぎること。
「MX Vertical」は海外で開発されたのが影響しているのか、指がマウスの先端まで届きませんでした。
これによってカーソルを上下に動かす時に指を「MX Vertical」に引っ掛けることができず、握って動かす必要があります。
わずかな違いですが、カーソルを上下に動かすたびに筋肉を使うことになって、通常のマウスよりも腕が疲れてしまいました。
ボタン配置に難あり
ボタンは通常のマウスと同じ「右クリック」「左クリック」「ホイール」、反対側には「戻る」「進む」ボタン、トップにも1ボタンが配置され合計、6ボタンです。
3台のデバイスと接続が可能で、デバイスを切り替えるボタンは底面に配置されていますが、こちらのボタンは押し難かったです。
ボタンを押すためには、「MX Vertical」を持ち上げようとすると、表面に掴むところがなく、表面も滑るのでボタンを間違えて押したり、「MX Vertical」本体を落としてしまいそうです。
ボタン切り替えではなく、オプションの「Logicool Flow」を使って切り替えていきたいところです。
それ以外のボタンの配置についても少々問題があり、「戻る」「進む」ボタンを押す時に、反対側の「左クリック」を誤って押すことがありました。
ポイント
- サイズが大きすぎて操作しづらい。
- 底面のデバイス切り替えボタンが押しにくい。
- 「戻る」「進む」ボタンを押す時に、反対側の「左クリック」を誤クリックしやすい。
MX Vertical の機能
マウスとしての機能としては大きな特徴はなく、1万円を超える高額マウスとしてはちょっと物足りない感じ。
特にホイールについては、高速スクロールを採用して欲しかったです。
高速スクロールは「LIFT M800」で採用されているので、ユーザーからの要望が多かったのかもしれません。
トップにあるボタンはデフォルトでは、スクロール速度の変更が割り当てられています。
押しやすい位置に配置されているので、デスクトップを表示するなど、好みの機能を割り当てて利便性を上げたいですね。
「Logicool Options」を使ったカスタマイズが可能
ボタンのカスタムや「Logicool Flow」の設定は「Logicool Options」や「Logicool Options+」で設定できます。
「MX Vertical」と「LIFT M800」の比較
同じロジクールから発売されている「MX Vertical」と「LIFT M800」を比較するとこんな感じ。
「MX Vertical」の発売から4年後に登場した「LIFT M800」は、「MX Vertical」の問題点を改善したモデルになっています。
「LIFT M800」のほうが小型で日本人の手に合う
特に大きな違いはサイズで、「LIFT M800」のほうが二回り以上コンパクトです。
コンパクトになることで、マウスに指を引っ掛けてカーソル移動できるようになって、筋肉への負担が軽減されました。
高さもちょうど良く、快適に操作できます。
「LIFT M800」は「高速スクロールモード」を搭載して完全な上位互換
「LIFT M800」は「MX Vertical」の完全な上位互換となっています。
ボタンの数は同じ6個ですし、接続できるデバイスの数も同じ3台と、「MX Vertical」の機能をそのままにコンパクト化しています。
さらに追加機能として、マウスホイールが高速スクロールに対応しているのが嬉しく、複数行を一気に移動できるのはブラウジングやライティング作業の強い味方になります。
LIFT M800の良いところ
- マウスホイールに高速スクロールモードが搭載されている。
- 全てのスイッチが静穏化されていて、静かな環境でも作業しやすい。
- 「MX Vertical」と同様に3台のデバイスをペアリングができる。
- 最新の「Logi Bolt」に対応している。
- 単三電池で動作して、電池寿命は2年間。
- 水平スクロールにも対応している。
単三電池を使用して最大24カ月利用可能
底面のカバーを開けると単三電池と「Logi Bolt」の格納場所があります。
カバーは磁石で接続されていて、従来のマウスのように爪を引っ掛けなくても簡単に開け閉めできます。細かい部分ですが、進化を感じられるのが素晴らしいです!
Logicool Options+にも対応して、カスタマイズやFLOWの設定が可能
もちろん「Logicool Options+」にも対応していて、ボタンのカスタムが可能です。
水平スクロールにも対応していて、「進む」か「戻る」ボタンを押しながらホイールを回転させると、左右に移動ができます。
「MX Vertical」と「LIFT M800」の比較表
機能 | 「MX Vertical」 | 「LIFT M800」 |
カラーリング | グラファイト | グラファイト/ペイルグレー/ローズ |
サイズ | 7.9 x 7.85 x 1.2 cm | 7 x 7.1 x 10.8 cm |
重量 | 135g | 125g |
充電ケーブル | USB-C | なし |
バッテリー | 内蔵充電式リチウムポリマー電池 4ヶ月 | 単三電池 24ヶ月 |
総ボタン数 | 6個 | 6個 |
ペアリング | 3台 | 3台 |
高速スクロール | なし | あり |
静音ボタン | なし | あり |
横スクロール | なし | あり |
接続方式 | Bluetooth / USB Unifying | Bluetooth / Logi Bolt |
値段 | ¥11,700- | ¥7,900- |
比較表を見ると「LIFT M800」は「MX Vertical」の上位互換になっていることが良くわかります。
既存のフラッグシップを気にしないで、機能性を向上した廉価版を出してくるロジクールの姿勢が良いですね。
「MX Vertical」と「MX Master 3」の比較
「MX Vertical」と同じロジクールの「MXシリーズ」の代表機「MX Master 3」と比べると、やはり機能的には見劣りする感じ。
「MX Vertical」と「MX Master 3」の比較表
機能 | 「MX Vertical」 | 「MX Master 3」 |
カラーリング | グラファイト | グラファイト/ミッドグレイ |
サイズ | 7.9 x 7.85 x 1.2 cm | 12.49 x 8.43 x 5.1 cm |
重量 | 135g | 141g |
充電ケーブル | USB-C | USB-C |
バッテリー | 内蔵充電式リチウムポリマー電池 4ヶ月 | 内蔵充電式リチウムポリマー電池 70日 |
総ボタン数 | 6個 | 7個 |
ペアリング | 3台 | 3台 |
高速スクロール | なし | あり |
静音ボタン | なし | なし(MX Master 3Sはあり) |
横スクロール | なし | あり |
接続方式 | Bluetooth / USB Unifying | Bluetooth / USB Unifying |
値段 | ¥11,700- | ¥13,340- |
重量は「MX Vertical」の方が軽くて良いのですが、やはりサイズが大きすぎて使いづらい印象があります。
まとめ: 機能とコスパの両面で「LIFT M800」の方がオススメ
「MX Vertical」のレビューでしたが、縦型マウスのオススメは「LIFT M800」です。
どちらも自然な角度でマウスを持てるエルゴノミクスマウスですが、「MX Vertical」はサイズが大きく、機能面でも若干の古さを感じます。
縦型マウスは操作に慣れが必要かもしれませんが、トラックボールほど特別な慣れは必要ありません。
「LIFT M800」では1時間ほど使用すれば操作になれてくると思います。
腱鞘炎や肩こりに悩むテレワーカーにはぜひおすすめしたいアイテムです。
オススメ